島根をベースにしつつも長野に新たに拠点をつくったわけだが、暮らしも移動もすべてが新鮮なのでそれはそれで楽しい。しかし、半年以上暮らしてみて一番の恩恵はなにかと言われれば、それは気候であると断言する。
長野県の東信エリア(上田、小諸、佐久、東御、軽井沢など)は、全国的にもトップクラスで晴天率が高い地域(概ね70%前後)とされている。 日本有数の「少雨乾燥地帯」であり、年間を通して天気が崩れにくく、カラッとした晴天に恵まれる日が多くある。理由は周囲が高い山々に囲まれていて内陸性気候のため雨雲が入りにくく、年間降水量は1,000mm程度、これは全国平均の約半分だ。さらに冬の積雪量も県内の他地域(北信など)に比べれば圧倒的に少ないので、とにかく暮らしやすい。
小諸市は、『雄大な浅間山の南斜面に広がり、市の中央部を千曲川が流れる詩情豊かな高原都市です。』と公的に発しているが、日本には「標高○○m以上なら高原都市」という法律上・行政上の統一定義はなく、地形・気候・都市機能を組み合わせた一般的な呼称、あるいは自治体が地域像を表すために使う言葉である。ちなみに同様に謳っている自治体は佐久市、茅野市、御殿場市(静岡)だ。
目から太陽の光が入ると、脳内で「セロトニン」という神経伝達物質が作られる。セロトニンには気持ちを安定させ、ストレスや不安を和らげてくれる。「天気がよく、今日はとても気持ちがいい!」と感じるのは、このセロトニンがしっかり分泌されているからだ。逆に日照時間が短い冬場や雨続きの時期はセロトニンが不足しやすく、気分が落ち込む「冬季うつ(季節性感情障害)」いわゆるウィンターブルーを起こしやすくなる。なにを隠そう僕は気候によって気分が大きく左右されることを自覚しているだけに、天気にとても敏感なのだ。こんなことは特別でもなんでもないが。
近年の日本で深刻化している災害級の猛暑と耐えがたい湿気は、心身に大きなダメージを与える重大なリスクだ。熱中症はもちろん、空調の急激な変化による自律神経の不調は睡眠にも大きく影響する。そこからくる夏バテと慢性的な疲労感。これがこれからの日本は毎年続くのだ。太陽の強い光というよりもべっとりする「湿度」で心身がぐったり消耗する。
軽井沢は50年以上前から全国的に避暑地として有名なエリアだが、軽井沢を含む長野の東信・高原エリアは、夏場でも湿度が低くカラッとしているためこれからより一層「選ばれる町」になると予測する。涼しく過ごせること、天然のエアコン。それ自体が価値なのだ。
毎朝、浅間山にかかる雲を見て今日が始まる。
